1万円プロジェクト

Webサービスを構築,公開して毎月1万円の実収入を得る

GAFAをはじめ、現代のサービスビジネスの大半が、Webの機構を用いています. ここでは、ビジネス企画からサービス提供までを一貫して実施することにより、その全貌を体験的に把握します. したがって、その習得内容は、技術的なものに限りません. むしろ、技術とビジネスがどのように連携しているのかを学ぶことが主眼になっています.

演習が目指すところは単純です. アフィリエイト収入を実際に得られるようになるサービスを実際に開発することによって、サービス企画から提供までの全行程をコンパクトに体験できるようにします. サービスを公開する際、実際の売上が生ずると、責任も重大であり、永続性が求められます. ここでは、実際の売上ではなく、広告や、関係サイトへのリンクによってアフィリエイト収入を得、毎月のクラウド費用を賄えるようにすることを目標とします. 月収1万円が目標なので、”1万円プロジェクト”と言います.

手順は以下になります.

  • ビジネス企画立案
    サービスアイディアをビジネス企画にまとめるとともに、その内容を短時間で検証する方法を学びます. どのような価値を、どのようなユーザ層に提供するか明確化すること、プロトタイピングによって実際にユーザにヒアリングを行って提供したい価値が想定したユーザ層に有効であるか検証すること、ヒアリング結果を客観的に分析し、事業化が可能であるか判定することを繰り返します. 最初から妥当な企画が作られることはまれです. ユーザの判定を反映し、市場に受け入れられる案ができるまで、計画を練り直します.
    この過程から、ビジネス企画の最も重要なポイントである、ユーザに受け入られる見通しの立て方を学びます. これは、マーケットリサーチによるビジネス企画でも、ユーザヒアリングによるサービス改良でもなく、自分で作り出したコンセプトを、市場で検証する作業になります. このようなスタンスが、真に新規性のある企画を生み出すための要諦です.
    この研修は、対面と遠隔を組み合わせた、手厚いメンタリングによって成り立っています. 第三者による客観的な視点が重要で、座学や開発演習だけでは達成できない内容になっています.
    この段階では、最終的に、事業企画を作成します.

  • 実装
    Azureを用いて、サービス構築を行います. ここでは、Webサービスフレームワークを使用しますが、その利用法が研修の主題ではありません. 標準的にはRailsを使用しますが、その他のものでも対応可能です. Railsの利用に関しては、市販チュートリアルによる自習を想定しています.
    ここでの主題は、市場の状況を的確に反映したサービスを構築することです. このために、MVP(Minimum Value Product)の設計と、アジャイルプロジェクトの実施方法が主題となります. ビジネス企画立案で設定した提供価値が、実際に市場に受け入れられているか、できうる限り短時間で検証することを目指します. この段階でも、常に修正とリリースを繰り返し、市場の動向を的確に把握します.

  • プロモーション
    いかなるサービスであれ、公開した直後はユーザがいません. だれもその存在を知らないからです. したがって、ある程度プロモーションが必要になります. 典型的なものは、SEO(Search Engine Optimization)と、サイト内でのユーザの行動観察です. プロモーション作業を行って、実際にユーザが付くのを体験します.