IoTに関連した技術は、主に、
- 端末を構成するのに必要な技術
- iotサービスを構成するのに必要な技術
に分類されます.
ここで、IoTシステムにおける”端末”とは、単純なセンサだけでなく、自動運転における自動車や、ロボットを含む、広範囲のものが対象となっています. また、IoTサービスは、このような端末とクラウドを接続し、クラウド上でサービス機構を運用することによって成立します. もちろん、サービス機構の内容は、ビジネスモデルによって変わってきます. それぞれについて体験的に学習する、別々の研修を用意しています.
ロボット構築を通じたIoTシステム構築研修
ここでは、機械制御系を含むIoTシステムについて具体的に学習するために、自律移動運搬ロボット(AMR: Autonomous Mobile Robot)を実装する研修を提供します. この技術は、自動運転機構に近いものであり、機械制御系IoTシステムの大半の技術要素を含んでいます. ロボットハードウェア自体は市販のものを用い、RTOSを含むすべての構成ソフトウェアの利用と、一部プログラミングを行います. したがって、ソフトウェアエンジニアが対象となり、受講の前提として、
- Linuxのリテラシ
- 最低限のCプログラミング経験
を必要とします.
構築するシステムは、
- モータ制御のための組み込み基板用制御ソフト
- NVIDIA Jetson Nano上での、画像処理、VSLAM、ROS
- クラウド上でのROS、行動プランニング、運輸サービス管理ソフト
からなります. しがって、研修は、
- RTOSと組み込みシステムのプログラミング実習
RTOS上で、フィードバック制御系を、C++を用いてプログラム実装します. 組み込みシステムの知識が得られます。 - LinuxとJetson Nanoを用いたROSエッジシステム構築実習
Jetson Nanoを用いて、ロボット制御系を構築します. ROS、エッジAI、自律移動ロボット実装の知識が得られます. - IoTクラウドサービス構築実習
コンテナを用いて、AMR向けの簡単なRaaS(Robot as a Service)クラウドシステムを構築します. IoTサービス構築の知識が得られます.
の3つの要素から成り立っており、必要に応じてそれらの中から選択して受講できるようになっています. 研修に必要な機材を用意しますので、実装したロボットは持ち帰ることができます.
この研修により、クラウド上のAIを用いてアクチュエータを制御する全行程を学ぶことができます.
IoTを利用した流通ビジネス戦略立案研修
階層的ビジネスモデル構築によって、自律移動運搬ロボットを用いた未来のビジネスモデル構築を試みます. ビジネス戦略に関するコンサルティングを兼ねます.
ここでは、近未来のプラットフォーマのビジネスモデルの推定に基づいて、自らのビジネスモデル構築を行う手法をとります.
- 自律移動運搬ロボットによる流通プラットフォーマ戦略立案
コンシューマ向け自律移動運搬ロボットのコストが十分低下したと仮定して、この分野のプラットフォームを構築し、プラットフォーマとなるための戦略を立案します.
これは、実際にプラットフォーマになることを目指したものではなく、プラットフォーマの行動原理をより正確に推定できるようになるために行います. - 個別ビジネス戦略の立案
コンシューマ向け物流のプラットフォーマが新たに出現したと仮定した場合の、特定ビジネス戦略の立案、検証、事業提案作成を行います.
また、この分野の動向推定に基づいて、より付加価値の高い技術開発を行うための方針作成をテーマとする研修も設定可能です. 技術系企業の戦略立案を行う人材の育成プログラムとして最適です.